東風(2)

「校庭に東風吹いて」最近は活字に集中する事が出来なかったのですが、あっと言う間に読み終えました。

緘黙症が出てくる他の小説を読んだ事がないのでこの本での緘黙症の取り上げ方との比較は出来ませんが、緘黙症の啓発活動と考えると緘黙症に関する記述は浅いのかなと思います。最初から教師全員が緘黙症を知ってる前提となってます。これは珍しい事かも知れませんね。主人公の教師が発達障害の児童を受け持った事がある設定ですが、そこから緘黙症への展開もなく終わってます。発達障害の児童を受け持った事を活かして対応しているというニュアンスは伝わりますが、その辺りをもう少し掘り下げて頂ければと思いました。

もう一つの側面として、この小説は赤旗に連載されていたというのがあります。主人公の教師も組合員です。おそらく著者も組合員だと思われます。組合とは言わずと知れた日教組です。所々にさりげなく、組合や反戦の話が織り込まれてます。

そういう意味から考えると場面緘黙症をテーマにしたというより、場面緘黙症を通じて、教師の奮闘ぶり、大変さがテーマなのかも知れません。悪く取れば、日教組の喧伝と取れなくもありません。

ただ、日教組組合員25万人、赤旗発行枚数24万枚と言われてますので、場面緘黙症の認知には寄与しているのではないかと思います。

個人的には日教組は好きではありません。ただ、日教組に入っていようがいまいが、この本をきっかけに教師として場面緘黙症児と真摯に向き合って頂けるなら、この本の存在意義は大きいと思います。

私の悪い癖ですが、場面緘黙症の事になるとどうしても批判的、辛口になりがちです。百聞は一見に如かずと言います。値段がちょっと高いのですが、一読されるのが一番だと思います。人それぞれ感じ方は違うでしょう。

兎にも角にも、場面緘黙症を取り上げて頂きました柴垣氏、掲載して頂いた赤旗紙には感謝です。

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