過食とダイエット(3)

当時、ダイエットを始めるにあたってカロリー計算をする事にしました。これは糖尿病だった母が病院から貰った食品交換表で1日1600kcalの計算をしてたのを思い出したからです。食品栄養成分表の本と料理秤を買って来て始めました。今のように市販食品のほとんどに栄養成分表が記載されている訳ではないので、ほとんどの食品の重さを計らなければなりませんでした。

最初は男性の標準の2400kcal以下に抑える事にしました。思いの外うまく行き、最初の頃は1日1kgずつ体重が下がっていく勢いでした。結果が出れば更に気合いが入り、摂取カロリーはどんどん減っていきました。

やがて、なかなか下がらなくなり、焦りやら何やらで更にに無謀なダイエットに突入していきました。

ちょうどこの頃、会社では無理な店舗展開が失敗し、支店統廃合が始まり、その流れで債権回収専門の支店を作る事になり、そこの支店長(二人体制の一人)として異動になりました。30人ほどの社員を抱え、朝礼で発言する時に吐き気がするといった社会不安障害的な症状も出ました。また、その30人に太った醜い自分を晒すのが気になりました。自意識過剰ですね。底無し沼に足を入れてしまいました。

統廃合で余ったポットを自分専用にし、ウーロン茶やプーアール茶を入れておいて、机の下に置いて空腹時にはそれを胃に流し込み、堪えました。その頃は1日1000kcal未満は当たり前で500kcalを切る事もありました。朝食だけ家で食べて、職場ではほとんど食べませんでした。たまに食べる事もあったのですが「あっ、食べてる!珍しい」なんて言われるほどでした。

体重は再度下がり始めましたが、やはり家に戻ると食欲が抑えられない時もあり、食べてしまって自己嫌悪感で一杯になりました。このままでは駄目だ!初めて喉に指を突っ込み吐きました。その後は食べたくなったら我慢せず、むしろ食べたい物を大量に買って来て、胃の中に流し込みました。胃が苦しくなっても更に押し込みました。吐く為の準備です。そして水をガブガブ飲んで限界になったら吐きました。吐いたらすぐに水を飲みます。胃液で喉がやられないようにです。でも、喉のヒリヒリは避けられませんでした。

体力が体重と比例して落ちていくのが判りました。もはや、筋トレなど出来る状態ではありませんでした。そんな状態にも拘わらず、達成感、充足感は半端ではなく、空腹に堪えている時は恍惚となるほどでした。

やがて、ダイエットを終了する時が来ました。何がきっかけか思い出せません。生命の危機を感じ始めたのかも知れません。

ただひたすら、運が良かったのでしょう。

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