戸籍から見えてくるもの

相続の手続きには亡くなった人が生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要となります。相続の権利者を確定する為です。

今の戸籍に載っていなくても過去に結婚した事があって子供がいる場合とか、子供を認知しているとかはその子供にも相続の権利が生じるからです。

その為に戸籍を遡らなければなりません。普通の戸籍謄本ではなく、改正原戸籍謄本を役所に請求し、そこに記載されている、その前の戸籍があった役所に再度、改正原戸籍謄本を請求します。それを繰り返します。

父の場合は今の戸籍の前が出生地なので2つの役所へ請求するだけで済みました。

その戸籍で色々な事が判ります。

先ず、今は結婚すると新戸籍を作って独立するのが当たり前ですが、昔はそのまま親の戸籍に入ったままで嫁もその義父の戸籍に入ったようです。長男に限りません。

家長制度というか、嫁は旦那さんの家に嫁ぐという意味合いなのでしょう。

余談ですが、関西の芸人が自分の奥さんの事を「うちの嫁が・・・」と言うのをよく聞きますが、すごい違和感があります。

「うちの嫁」は義父母が使う言葉で旦那さんが使う事は関東ではありません。(私の知る限りですけど)

それはさておき、父の戸籍で父の祖父の祖父まで名前が判りました。父の父、私の祖父は父が12歳の時に亡くなってます。瓦職人だったと聞いた記憶があります。父と容姿や性格がそっくりという話を祖母から聞いた事があります。12歳という年齢での父親の死・・・どんな思いで見送ったのでしょうか?

また、父は三男で四男とは10数歳離れているのですが、なぜそんなに離れているのかも戸籍で判りました。

その間に男2人、女2人が生まれていて、いずれも2歳までに亡くなってます。戦争中だったので栄養不足や衛生面での問題があったのでしょうね。

母にも幼くして亡くなった姉がいたそうです。結核に羅り、胸に辛子を塗ると良いという訳の判らない民間療法を信じて辛子を塗ったところ、とても痛がりながら亡くなったそうです。時代が時代ですけど愚かな事です。

戦死する人も多かったでしょうし、それだけ身近に「死」があった時代、どのように心を納得させたのでしょうか?死生観はどのようなものだったのでしょうか?夢や希望は持てたのでしょうか?

母の事も戸籍から判ります。父と結婚する前の戸籍が載ってました。私は成人するまで母は長野県出身だと勘違いしてました。長野の話をよくしてましたから。

母は東京生まれの東京育ちなんですね。長野は疎開(空襲を逃れる為の避難)で行っていたんですね。ただ、私は母が東京のどこかは今日の今日まで知りませんでした。

父も母も戸籍上の町名は旧町名なので今の場所は特定出来ません。「この辺り」とだけしか判りません。

そのうちに行ってみたいと思います。

悠久の歴史ですね。ご先祖様、それぞれが一人の人間として様々な思いを抱えて生きてきた。その結果として今、私が存在してます。

自分の家系の何代か前の人が自分の前世なんて事も言われますね。とても無器用で無口な人がいたなら、その人が私の前世です。

昔は今よりもずっと無口が許された時代のような気がします。

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